第2回|「貯金」のその先へ。わが子の判断力を磨く新しい視点
子どもがお金を使い切ってしまわないように。
そして、少しずつでも貯金ができるように。
そんな思いから、家庭でのお金の話が始まることは少なくありません。
それは、お金を大切にしてほしいという、親としての自然な願いでもあります。
けれど、実際の生活の中では、貯めることだけでは、「今使うのか」「取っておくのか」迷ってしまう場面にも、少しずつ出会います。
海外の金融教育が、貯金だけを出発点にしないのは、そのためです。
海外の金融教育に共通する、もう一つの視点
貯金が教えてくれるのは、
- 今あるお金を減らさない
- 我慢する
- 将来に備える
といった、守る力です。
これは、子どもにとって非常に重要な学びです。
でも、人生や社会は「守る」だけでは成り立ちませんよね。
海外の金融教育では、次の問いが早い段階から投げかけられます。
- お金は、どこから生まれるのか
- 使い方によって、何が変わるのか
- 選択の結果、どんな影響が広がるのか
つまり、お金を「止める(留める)もの」ではなく、「動かすことで意味を持つもの」として捉える視点です。
海外の金融教育で重視されている3つの力
1. 選択する力(Choice)
「今使う」「後で使う」「別の目的に使う」
どれも正解になり得る。
大切なのは、自分で選び、その理由を考えることです。
2. 管理する力(Ownership)
お金を「親のもの」ではなく、自分が責任を持って扱うものとして経験させる。
失敗も含めて、自分の選択として引き受けることで、主体性が育ちます。
3. つながりを理解する力(Impact)
お金は、誰かの仕事につながり、社会の仕組みにつながり、価値の循環を生み出します。
海外の金融教育では、「お金は社会との接点」という視点が、非常に大切にされています。
貯金を中心に考えていると、起こりやすいこと
貯めることを大切にする関わりは、子どもに安心感を与えてくれます。
一方で、貯金を軸にした関わりが続くと、次のような感覚が育ちやすくなることもあります。
- 使うことに、少し不安を感じやすくなる
- 判断を、自分以外の誰かに委ねがちになる
- お金に対して、「我慢」や「制限」という印象が強く残る
その結果、自分で選び、考える経験が十分に積み重ならないまま、大人になっていくケースもあります。
海外の金融教育が目指しているもの
海外の金融教育が育てたいのは、
- たくさん貯められる子ではなく
- お金を使って考えられる人
です。
それは、
- 正解を当てる力ではなく
- 自分で決め、振り返り、次に活かす力
と言い換えることもできます。
日本の家庭でできること
ここで大切なのは、「海外と同じことをしなければならない」という話ではありません。
日本の良さである、
- 計画性
- 丁寧さ
- 先を見通す力
これらは、世界的に見ても大きな強みです。
そこに、ほんの少しだけ、
- 選ばせる
- 任せる
- 自分の選択の結果を引き受けさせる
という関わりを加える。
それだけで、お金は「守るもの」から、考えながら使い、育てていく学びの素材へと変わります。
CreateBrightが大切にしている視点
CreateBrightが伝えている金融教育は、「増やすための知識」ではありません。
- お金を通して考える力
- 選択と責任を引き受ける力
- 社会とつながる感覚
これらを、家庭の中で、無理なく育てることを目指しています。
だからこそ、
- 親がまず理解し
- 日常の中で一緒に考える
というプロセスを、何より大切にしています。

まとめ
貯金は、金融教育の大切な入り口です。そこから、少しずつ視点を広げていくことができます。
海外の金融教育が大切にしているのは、お金をただ手元に留めておくことよりも、お金を通して、考え、選び、社会とつながっていく力です。
その結果、「お金が増える」こともあるという体験をすることもあります。
「増える」を学ぶのが目的ではなく、この順序こそが大切なのです。
その力は、特別なことをしなくても、日々の暮らしの中で、少しずつ育てていくことができます。
CreateBrightのプログラムについて
CreateBrightの FLEP7プログラム では、北欧、アメリカ、英国をはじめとする金融教育先進国に共通する考え方を、日本の家庭で実践できる形に体系化しています。
親が学び、子どもと一緒に考え、家庭の中で育てていく。
そのための土台を、丁寧にお伝えしています。
「もしも」に備えるだけでなく、自分の意志で人生を一歩踏み出すために必要となる「新しいお金の定義」。
この視点を家庭に取り入れることこそが、これからの時代を生き抜く主体性を育みます。
具体的にどのような「役割」のお金を準備し、どう子どもに伝えていくのか。その具体的な導入ステップは、STEP3の動画教材で詳しくお伝えしています。
この記事は5回連載の「第2回」です。前の記事を読むには、以下をクリックしてください。
第1回:アメリカの小学校に学ぶ、発達段階に合わせたお金の教育
あわせて読みたい:具体的な実践ステップについて
「お金の定義」を見直した次は、それをいかに家庭内の「仕組み」に落とし込んでいくかが大切になります。
次の記事では、親が教え込む負担を減らし、子どもが自然に学び始めるための「家庭での取り入れ方」の基本について詳しくお伝えします。
>> 次に読む記事 [家庭でできるお金の教育:親が教えるのをやめると、子どもは自ら考え始める] へ

